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よくある質問膝について

膝関節痛は高齢者に起きやすいのですか?
一般には高齢化社会になると介助などの社会的な援助が必要な高齢者が増加すると考えられていますが、実際には約8割の高齢者は自立しています。すなわち、通常の仕事を持っていたり、家事やボランティアなどの労働に従事しているわけです。なかには野球やテニスなどの趣味のスポーツ活動を継続している人もいます。自立した生活ができるためには移動手段として歩行能力は重要です。膝などの関節の痛みがあればそのために自立できなくなり、社会的にも経済的にも損失が大きくなるわけです。
膝の痛みは改善しますか。
治療を行う前に、痛みが出た原因を見極めることが大切です。慢性的に痛みがある人と、ある動作で急に痛みが出た人では原因が異なります。特に変形性膝関節症といわれる慢性的に膝が痛くて治療している人でも急激に痛みが出た場合は、何か別の原因があることがあります。関節痛を年齢のせいにしてあきらめる人は多いと思いますが、ターゲットをしぼって検査・治療を行えば痛みは軽減します。  そして、患者さんの生活背景を考えた治療を選択するということも大切です。膝の疾患で治療を受ける人の多くは、全身的なリスクが低く、患部以外はきわめて健康です。したがって安全性はもちろんですが、いかに早期に通常の生活や希望するスポーツなどに復帰できるかということも考慮する必要があります。
治療法について詳しく教えてください。
症状が軽度の場合は保存療法を行います。消炎鎮痛剤などを用いた薬物療法、入浴や超音波などの温熱療法、筋力を鍛える運動療法など様々な治療法があり、症状の進行度や痛みの程度によって、これらを組み合わせて治療を行います。これらの保存療法を行っても症状の改善が見られない場合には、手術療法を行うこともあります。原因や手術を行う部位によって、用いる手術方法は異なります。

■関節鏡による手術

膝の半月板などの手術の場合、多くは関節鏡を使って手術をします。関節鏡とは関節の状態を観察する内視鏡であり、1cm程度の小さな切開を数箇所加え、そこからカメラを挿入して関節の内部を見ながら手術を行います。従来の切開手術に比べて病変部以外の組織を痛めることが少なく、小さな皮膚切開、小さな侵襲で手術を行えます。また、切開手術では到達しにくい部位を見ることができ、手術の安全性も向上します。

■歩行能力を改善する膝疾患の手術

手術療法にも数種類あり、症状に応じて選択する必要があります。O脚など膝の内側に体重がかかることが原因になる場合は、重心を外側に移すために高位脛骨骨切術が行われます。(写真1)関節軟骨がすり減り、痛みが引き起こされる場合は人工関節置換術が適応になります。人工関節置換術はすり減った軟骨部分を切除して、痛んだ関節部分のみを取り換えるので、症状の改善が大きく期待でき、重篤な症状には有効的な手術です(写真2)。また最近では、人工関節置換術において切開部分を小さくするMIS(最小侵襲手術)も行われています。ただし、手術は安全、正確に行われなければなりませんが、避けられない合併症が生じることもあり、関節の状態に応じて慎重に選択をしなければなりません。

■手術後のケア

膝関節の手術では機能回復が目的になることが多いため、手術が的確に行われることに加えて、術後の機能回復訓練、日常生活やスポーツ活動への復帰に患者さん自身がどれだけ意欲をもって取り組めるかが重要になります。ですから、手術に携わる医療スタッフが患者さんの入院前に手術の詳細から退院までの流れ、退院時に予想される膝の状態、生活上の支障程度、退院後の過程について十分に理解できるように説明することは、治療に要する精神的、肉体的負担を必要最小限にするために大きな意義があります。